爪白癬治療に、抗菌力+浸透力

開発の経緯

ルコナック®爪外用液5%は、ルリコナゾールを有効成分とする外用爪白癬治療剤である。

ルリコナゾールは日本農薬株式会社で合成された、ジチオラン環を有し、光学活性体のR-異性体のみを選択したイミダゾール系抗真菌薬で、爪白癬の原因菌である皮膚糸状菌(トリコフィトン属)に対し強力な抗真菌活性(MIC*1・MCC*2)を有することが確認されている。

2016年1月現在、本邦で認可されている爪白癬の治療剤は経口抗真菌剤2成分及び外用抗真菌剤1成分である。経口抗真菌剤による爪白癬治療では、副作用や薬物相互作用に注意が必要であり、特に高齢者や合併症を持つ患者では、治療が制限されることが多い。そのため、強い抗真菌活性を有し、爪に高濃度で浸透する外用の爪白癬治療剤の開発が望まれてきた。

抗真菌活性が高く、広い抗真菌スペクトルを有するルリコナゾールは株式会社ポーラファルマによってルリコン®クリーム1%、液1%、軟膏1%の3製剤が皮膚真菌症治療剤として製造販売されている。ルリコナゾールの爪白癬治療剤としての至適製剤化により、高濃度で配合し、かつ爪に対する透過性及び貯留性を高めた本製剤の開発に成功した。

本剤(商品名 ルコナック®爪外用液5%)は爪表面から爪深部までの爪全層に分布し、爪深部に到達したルリコナゾールは皮膚糸状菌に対してMICを上回る薬物濃度であることが確認された1)
臨床試験としては、安全性試験、薬物動態試験、爪白癬患者を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施され、有効性及び安全性を確認し、佐藤製薬株式会社より2015年2月に承認申請を行い、2016年1月22日に承認された。

*1 MIC:
最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration)
*2 MCC:
最小殺菌濃度(minimum cidal concentration)

1) Shimamura, T. et al.: Med. Mycol. J., 57, J19-J25(2016)